ひぃぃ!
真の暗黒小説を読んでしまいました。
江戸時代の闇が壮絶に書かれています。
お江戸といえば「こちとら江戸っ子でぃ」のような粋なイメージが浮かんできていたのに、あまりに残酷な江戸時代の様子にビビっている美女(みめい)でございます。
どんな暗黒小説なんだと聞きたい貴方、これがマジに身の毛もよだつ話なんだってば!
ああ、恐ろしい。
花村萬月
スポンサーリンク■目次
▶暗黒の極み▶花村萬月
▶花村萬月という人
▶まとめ
暗黒の極み
「日蝕え尽きる」
2016年8月発売 224ページ
真の暗黒小説を書きたかったという花村萬月先生による渾身作品。
江戸時代、天明六年における皆既日蝕を背景にした残酷物語。
5つの短編になっています。
私からのアドバイスとしては、寝る前に読まない方がいいということ。
寝る前にうなされますからっ!
ホラー小説では無いのですが、生々しい描写は読むのが辛くなってきます。
グロさ抜群!エグさ抜群!キモさ抜群!
1つ例をあげるなら、江戸時代の闇について。
あまり大きな声では言えませんが、歌舞伎役者としてまだ舞台にあがれない少年達の仕事が自分を売ることだったという話。
「陰間」と呼ばれて僧侶や武士に・・・・・・
史実通りに書いてあるそうです。
歌舞伎というのは元々出雲阿国の時代から男色の人達への売り物として始まったのだと花村萬月先生が書いています。
マジですか?
高尚なイメージがある歌舞伎が!
いやいや、昔から衆道はたしなみだったと聞いたことがありますから。
江戸時代にも流行っていたそうです。
そこまで嫌悪するものでは無いんですね。
時代が違うから。
でも、「日蝕え尽きる」の中の描写は凄いからっ!
その歌舞伎役者の話は2話目「吉弥」。
1話目の話は「千代」、女性の痛みと苦しみ。
3話、4話、5話、全て救いが無い話です。
主人公が題名になっていて、ラストの1文は皆同じなのが花村萬月先生らしいかな。
- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/08/26
- メディア: 単行本
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花村萬月
生まれ 1955年2月5日
本名 吉川一郎
出身 東京都文京区
学歴 東京サレジオ学園卒
受賞歴 第2回小説すばる新人賞(1989年)「ゴッド・ブレイス物語」
候補 | 第46回日本推理作家協会賞[長編部門](平成5年/1993年)『ブルース』 |
第19回吉川英治文学新人賞(1997年度)『皆月』
候補 | 第11回山本周五郎賞(1997年度)『鬱―うつ―』 |
芥川賞審査員である石原慎太郎の選考後コメントを載せておきます。
「私は一番面白く読んだ。まさに冒涜の快感を謳った作品で、(引用者中略)主人公の徹底した、インモラルではなしに、ノンモラルは逆にある生産性をさえ感じさせる。文学こそが既存の価値の本質的破壊者であるという原理をこの作品は証そうとしている。」
花村萬月という人
日蝕え尽きるを書き終わった後にこんなツィートをしている!
〈日蝕えつきる・千勢〉脱稿。これほど時間をかけて執筆することになるとは思ってもいなかったが、納得のいく作品に仕上がった。問題は85枚と、予定の枚数を遙かにオーバーしてしまったことだ。それにしても俺がこれほどまでに救いのない残酷な話が書けるようになろうとは──。
— 花村萬月 (@bubiwohanamura) March 11, 2015
他のツィートも読んでいたら、なんか面白いかんじ。
あんな暗黒小説を書く作家とは思えないです(笑)
窮屈な時代小説は書きたくないのです。書く方も、評する方も、資料に寄りかかってなにやらノンフィクションじみた体裁をつくりあげることに汲々とする。それは、考証原理主義でいけば、虚構を捻りだすよりはよほど楽ですよ。が、原理主義の視野狭窄だけはいただけない。
— 花村萬月 (@bubiwohanamura) July 28, 2015
ソクラテス『プラトンがこれから話すことは間違いである』
— 花村萬月 (@bubiwohanamura) November 28, 2015
プラトン 『ソクラテスがいま話したことはほんとうである』
有名な循環論法というやつだが、こういった言語パラドックスを用いてちいさな、気のきいたミステリーが書けぬものかと夢想する午後。さ、押せ押せの連載執筆にもどろう。
まとめ
とにかく暗い小説で残酷でインパクトが強いものを読みたいという方にオススメ(笑)
最近江戸時代が好きで凝っていた私は、今度は江戸時代が怖くなってしまいました。
怖いよー!
花村萬月先生は現代にもあてはまるとかいっています。
時代のせいだけじゃないのかな。
悪夢を見たい方、是非とも読んで下さい。
うなされるがいいわ。
オホホホ
rarasongjing.hatenablog.com
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