暑いから寒くなるような怖い話を書いてと友達にリクエストされたのですが、私は霊感が無いんですよ。
何かあったかと頭を捻ってシェイクシェイクして、思い出したのがこの話。
そういえばかなり怖い話かも!
ホラーは苦手な美女(みめい)ですが。
怖い話
スポンサーリンク■目次
▶噂話は大きくなる▶大きくなる怖い話
▶チクリ
▶まとめ
噂話は大きくなる
小学校の時、同じクラスに木島君という陽気な男の子がいました。
まだ低学年だったあの頃、面白いことを言う男子がヒーロー!みたいな空気があって、特に木島君の周りで流行っていました。
低学年だったせいもあって、笑いのレベルは低かった。
「う〇こ」と叫べば誰もが笑うようなレベルで、「う〇こ」の話ばかりで競い合っていたような記憶があります(笑)
そんなある日、笑いのツボが変わったのです。
それは、男子の誰かが「昨日、木島の母ちゃんを見た!」と言ったときからです。
「木島の母ちゃんが、チャリンコの後ろに扇風機を積んで漕いでた」
その話に皆が爆笑しました。
木島君本人まで笑っていました。
ヒーローが誕生した時、ヒーローになり損ねた男子がリベンジを図ります。
ここからです。
話がドンドン大きくなっていくのは!
しばらくして、佐藤君がリベンジ発言をしました。
「俺も昨日、木島の母ちゃんを見た!」
面白い話を聞きたい皆は佐藤君に注目します。
「木島の母ちゃんがチャリンコの後ろにテレビを積んで漕いでた」
皆が爆笑。
こうなってくると止まらない小学生男子。
「俺も木島の母ちゃんを見た!」
「木島の母ちゃんがチャリンコの後ろに洗濯機を積んで漕いでた!」
爆笑が止まりません。
木島君もお腹を抱えて笑っていました。
その「チャリンコの後ろ」話は一週間位続いたでしょうか。
木島君本人もウケていたので、誰もが罪悪感も無くジョークにしていました。
「木島の母ちゃんがチャリンコの後ろに冷蔵庫を積んで漕いでた!」
「木島の母ちゃんがチャリンコの後ろに自分の家を積んで漕いでた!」
「木島の母ちゃんがチャリンコの後ろに富士山を積んで漕いでた!」
軽いジョークは終わるのも早い!
あっという間に「チャリンコの後ろ」ジョークは飽きられました。
ただの笑い話で済むはずだった出来事、なのに木島君の本当に怖い話がここからスタートするのです。
大きくなる怖い話
木島君の家はわりと大きな庭があり、学校からも近いことから皆の溜まり場になっていました。
グループ研究などもよく木島君の家に集まったりして、クラスの殆どの人が木島君の家を知っていました。
だから、木島君がヒヨコのピヨちゃんを飼っていたことも周知の事実。
可愛いピヨちゃんの話がよく話題になっていたの。
けれど飽きるのが早い小学生男子。
ニワトリになっていたであろうピヨちゃんの話題が途切れ、暫くしてから誰かが「ピヨちゃん元気?」と聞いた時のことです。
「ピヨちゃんは夏休みに母さんの実家に連れて行って食べたよ」
木島君の答えに「えーっ!」という衝撃の声がチラホラ上がりましたが、その時はその程度の話でした。
ただ、皆の記憶に残っていたのです。
インコも飼っていた木島君。
ある日、佐藤君が木島君の部屋に行ったらインコの檻が無くなっていたそうです。
それを聞いた誰かが教室で言いました。
「木島がインコを食べちゃったんじゃね?」
爆笑。
ヒーローがまた生まれた瞬間でした。
男子のいつものジョーク。
またある日、学校で飼っていた鯉が数匹消えていたという話題になったときです。
誰かが言いました。
「木島が鯉を食っちゃったんじゃね?」
爆笑。
またヒーローが生まれました。
誰もがヒーローに憧れていたあの頃、木島君が何かを食べる話をすれば簡単にヒーローになれると気付く小学生男子。
毎日生き物がいなくなる訳じゃないですから、たまにポツリポツリとhitするロングランのネタになってしまったのです。
学校の近くで見かけていた猫がいなくなったら・・・・・・
「木島が猫を食っちゃったんじゃね?」
これは囁くように話すネタになりました。
木島君の耳に入らないように。
そして遂に大問題になるネタに発展していきます。
冬のある日、最近木島君の弟であるマサル君が学校を休んでいるというニュースが流れてきたのです。
Warning!Warning!
聞こえてくる警告音。
それを言ってはいけない。
しかし、まだヒーローになっていない男子がヒーローを目指して叫んでしまいました。
「木島がマサルを食ったんじゃね?」
言ってはいけないと思っていた人達も思わずゲラゲラ笑っていました。
またヒーローが誕生したのですが、今度のヒーローは闇のヒーロー。
木島君に「マサルは美味かったか?」などと悪ふざけが過ぎる質問をするダークヒーローまで誕生してしまいました。
怖いですよね。
いつもは陽気な木島君も困惑気味です。
弟を食べた男というレッテルは嫌に決まっています。
遂にキレたのは女子達です。
低学年女子は正義が好き。
木島君を助けなければという思い。
言わずと知れた古代より伝わる切り札を使うときがきたのです。
その名も「チクリ」
チクリ
「先生っ!
木島君がマサル君を食べましたーっ!」
違う!
チクリを任せた女子がライト感覚の子だったのは人選ミス。
誰もチクリ役をやりたがらなかったから。
(伊藤さんが先生に言い付けてぇ、えー!やだ。鈴木さんが言い付けなよ、えー!私は無理ー。
そんな女子達)
泣き出す木島君。
「マサルをマジに食ったのか!」
誰かがそう叫び、教室中が異様な空気に包まれた瞬間のその後、笑い出す男子や女子。
泣き続ける木島君、爆笑の教室、怒る女子、訳が分からなくて呆然とする担任教師。
ああ、怖い話です。
マサル君がインフルエンザで休んでいるという説明を先生がするまでは地獄絵図のようでした。
「木島が弟を食べる訳が無いだろう?」
そりゃあそうです。
その後、インフルエンザが治ったマサル君も登校し始めて平和が戻って・・・・・・いや、木島君もその後は強くなって「食って無い!」と反論して笑いにするようになったから平和だったような・・・・・・
1度覚えたヒーローの味のせいか、非常に強烈なジョークだったせいか、「木島がマサルを食ったんじゃね?」ネタは小学校を卒業するまで、女子である私の耳にもたまに入ってきました。
木島君の家に遊びに行って、マサル君の姿が見当たらないと「また木島がマサルを食った!」と。
「またか!」
何度も食べられるマサル君。
ああ、恐ろしい話です。
今になってよく考えたら、食べられても食べられても生き返る話じゃないですか。
当時は気が付かなかった。
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まとめ
何にも悪くない木島君が、いつの間にか悪い噂のターゲットになってしまう!
悪意の無い小学生も怖い。
なんだかネットと少し似ていますね。
ネットの場合は悪意を持って噂を大きくしてしまう人もいるから、怖い怖い。
怖い噂話は身近に結構あるものです。
大きくなったり、小さくなったり。
噂はあくまでも噂。
惑わされないようにしたいです。
間違っている良い噂というのもありますね。
実は私が若いとか(爆)
そのまま噂を流して下さい。
オホホホ
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