その店に入ると下駄箱があり、まず靴を脱がなければならない。
スリッパが無くて首を傾げたが、店内にいる人達は上履きのような物を履いているではないか。
これはっ!
私の上履きは隠されていた
ということなのだろうか。
私は何度もウェイトレスを呼び、やっとテーブルに案内をされた。
しかし椅子が無い。
仕方が無く奥の方から自分で椅子を運んできた。
何ていうカフェであろうか。
よく見るとテーブルには沢山の書き込みがある。
バカ
帰れ
2度と来るな!
死ね!
気持ち悪い
「キメェんだよ、お前」と彫ってもあった。
心を落ち着けて、コーヒーを頼むために「すみません」とウェイトレスを呼んでみる。
当然シカトされ続けた。
周りのクスクスと笑う声に耐えながら呼び続けると、ウェイトレスが花瓶を持って現れた。
菊が活けてある花瓶を私のテーブルに置くと、やっとコーヒーを注文。
花瓶はそのまま私のテーブルの真ん中に置かれた。
クスクスと笑う声は止まらない。
見ると、私の方を指差していた人が顔をしかめて「オエッ」と言った。
「えんがちょ」
と言う声もチラホラ聞こえてくる。
えんがちょとは何であろうか?
暫くしてウェイトレスが持ってきたのは注文したコーヒーではなく、缶コーラと雑巾だった。
思った通り、缶コーラを開けるとプシューと泡が飛び出したので雑巾が役立つことになる。
しかし、ここからイジメが益々エスカレートしてくるとは思わなかった美女(みめい)です。
イジメカフェ
スポンサーリンク■目次
▶2人1組になってー▶イジメはありません
▶ちょっと貸して
▶まとめ
2人1組になってー
コーラを飲んでいると、何かが飛んできた。
小さな紙くずだったり消しゴムだったり。
あらゆる方向から小さなゴミが背中にぶつけられてくる。
通りかかる度にウェイトレスは「チッ!」っと舌打ちをしていく。
これ以上最悪な雰囲気は無いと思っていたら、急に前方にジャージを着た体育教師のような風体の男が現れて叫んだ。
「2人1組になってー!」
わらわらと人が立ち上がり、2人1組が出来ていく。
当然のことながら、私がそばに近寄る人にはシッシッと追い払われ、私は誰とも組めない。
孤独と悔しさと悲しみが私をズタズタにしていく。
一縷の希望を持って体育教師を見つめると、彼は鬼のような形相で私のそばにきた。
「なんでお前は協調性がないんだ?
そんなことでは将来困るぞ!
他の人を見習え」
私が悪いんですか?
クスクス笑い声が響く店内。
体育教師はニコニコしながら退場していった。
イジメはありません
そろそろ帰ろうかと思っているところに、今度は小太りの偉そうな男が現れた。
まるで校長先生のよう。
前方には黒板があり
イジメは駄目
そう大きく書いてあった。
男は黒板をバンっ!と叩いて口を開く。
「このカフェにはイジメはありません」
今までの行為はイジメではないのか?
このうえ隠匿するつもりなのか。
「みんな仲良くしてください」
ふざけんなぁぁぁ!
校長が去ると、早速隣りの男から「お前、灰皿持ってきて」とパシリに使われた。
持っていくと「これやるよ」と伝票を渡される。
いらないと言えない私の心の弱さがいけないのか?
助けてくれる人はいないのだろうか。
ちょっと貸して
私の願いを神が聞いてくれたのかのように、「山田、自分の料金は自分で払えよ!」とイケメンの爽やかそうな男が私にニッコリしてくれた。
山田はすごすごと自分の伝票を持ち「冗談だよ、冗談」と私の肩をポンっと叩いて自分の席に。
ああ、世の中捨てたものではない。
私はイケメンに頭を下げトイレに向かった。
これが最大の過ちだったとは気付かずに。
トイレの中には咥えタバコの女性が数人いて、私はあっという間に囲まれてしまった。
「色目使ってんじゃないよっ!」
「ブスっ!」
女同士の陰険なイジメは凄まじい。
無理やり変な顔をさせられ写真に撮られまくった。
恥ずかしい姿を沢山写真に撮られて脅され、私は抵抗する気力を奪われたのでした。
もう帰ろうと伝票を握りしめて会計に向かう途中、先程のイケメンから「ちょっと貸して」とお金をむしり取られてしまう。
コーラ1杯の料金10万円をカードで払い下駄箱を見ると、私の靴は無くなっていた。
まとめ
すみません、コミカルに書くつもりだったのに陰険極まりないカフェになっちゃった。
うちの近く(都内)に沢山色々なカフェができたんですよ。
うちはそれ程まで都会という訳じゃないのに、かなり。
面白いとこなら「元カノカフェ」「893カフェ」「ミステリーカフェ」「BLカフェ」「壁ドンカフェ」「妹カフェ」etc・・・・・・
イジメカフェは私の創作ですが、もしかしたら似たようなカフェもあるかもしれません。
池袋ではよく執事カフェのイベントをやっているのですが、びっくりする程彼らは歌が上手くて、カフェが歌まで出す時代になってきたんだと実感しました。
ちなみに執事カフェは舞台もやっている!
執事カフェのお洒落なスイーツも話題です。
ああ、お嬢様とよばれたい。
- 作者: 執事喫茶Swallowtail
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
どんどん進化していきますね。
今行きたいのは「けものフレンズ」カフェ。
変わりものカフェには注意です。
よくボッタクリの話を聞きますから。
値段を確認してから行きましょう。
オホホホホ
rarasongjing.hatenablog.com
スポンサーリンク